室戸世界ジオパーク学術研究助成金に関する募集
助成金の目的:室戸ジオパークを対象とした多様な学術調査・研究の推進及びその成果を地域に還元するため
対象となる研究分野:自然科学、人文科学、社会科学、教育学、自然・文化遺産の保護に関わる研究など
助成金額:1件あたり上限25万円
助成対象者:年齢、職業、所属は問わない。ただし、募集要項2-(2)、(3)を遂行できる者に限る。
応募締切:2024年5月10日必着
応募方法:室戸ジオパーク学術研究計画書、助成金収支予算書 室戸ジオパークHP
本助成に対する問い合わせ先
〒781-7101
高知県室戸市室戸岬町1810番地2
室戸ジオパーク推進協議会
事務局 海老川 真美
TEL: 0887-22-5161
Mail: info@muroto-geo.jp
http://www.muroto-geo.jp/
福島 和彦
60余年の歴史と伝統を持つリグニン討論会をリグニン学会に発展させた梅澤俊明初代会長の後任として、第二代会長に就任いたしました福島和彦でございます。大役を仰せつかり、まさに身の引き締まる思いです。山田竜彦、河本晴雄の副会長をはじめ、理事、評議員、そして会員皆様のお力添えをいただきながら、諸先輩の築いてこられたリグニン研究の一層の発展に尽力して参る所存です。
当学会の経緯につきまして少し紹介させていただきます。当学会の前身であるリグニン討論会の第1回は、八浜義和先生(大阪大学)らが発起人となり1956年にリグニン化学討論会として大阪府立教育会館にて開催されました。引き続き同討論会は、リグニン研究に携わるわが国の研究者が輪番で世話人を務めることにより、年ごとに運営開催されて参りました。その後、化学分野のみならずリグニンに関わる諸分野を広く包含するという趣旨の下、第29回(1989年)討論会において名称をリグニン討論会に変更し、2019年リグニン学会設立後は学会の年次大会としての役割を果たし、昨年(2022年)の第67回まで回を重ねて参りました。そして、当学会は2022年に日本学術会議より協力学術研究団体として指定されました。
リグニンは、維管束植物細胞壁の主要成分であり、植物が陸上で生きていく上で欠かせない、機械的支持、紫外線吸収、水分通導などの機能発現に寄与しています。また、地上で最も豊富に存在する天然芳香族資源でもあります。脱炭素社会を実現するため、またSDGsの目標を達成するため、今後は化石資源に頼らない社会を構築していかなければいけません。リグニンは、カーボンニュートラルで持続的生産可能な次世代資源として着目されており、様々な機能性材料への変換技術も確立されつつあります。今後は、リグニンの持続的生産と有効利用を本格的に推進する段階(社会実装)に入っていきますが、これらを達成するためには、関連する課題を学術的に解決することが必要不可欠となります。
当学会では、従来の良き伝統・特徴を引き継ぐリグニン討論会を年次大会として継続開催していますが、国際化推進の一環として5年に一度国際会議として開催することにしています。既に2019年開催の第64回リグニン討論会は、国際会議(1st International Lignin Symposium)として開催しました。2024年開催の第69回リグニン討論会も国際会議(2nd International Lignin Symposium)として開催する予定です。また、学会誌“Lignin”を刊行し、一般論文や総説をオンラインで発信しています。さらに、年2回の特別シンポジウムを開催し、リグニン科学の最新情報の発信にも努めております。
微力ではございますが、先輩諸氏が築いてこられたリグニン討論会の伝統そしてリグニン学会の学術団体としての機能をさらに発展・強化させていくために、全力を尽くす所存です。会員皆様方のご支援ならびにご鞭撻を承りますよう心よりお願い申し上げます。